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文化財の複製・修復|文化財の複製・模造・模写・模刻

【国宝】棚畑遺跡ヴィーナス土偶

メインビジュアル:棚畑遺跡ヴィーナス土偶

八ヶ岳山麓の長野県茅野市米沢に位置する棚畑遺跡は縄文中期の遺跡で、1986年9月に大型の土偶が発見されました。この土偶は集落中央の小さな穴に完全な形で埋められていました。妊娠しているようなおなかをした豊満な下半身には、縄文人の豊穣を願う気持ちが表現されているといわれ、世界各地の古代遺跡から見つかる地母神「ヴィーナス」の一種と考えられています。高さ27cm。1995年に国宝指定。

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所蔵者:
茅野市尖石縄文考古館
納入場所:
千葉市立加曽利貝塚博物館、(新潟県)

製作者コメント

土偶というと、宇宙人のようにデフォルメされたものが多いですが、この土偶は「縄文のヴィーナス」という名前で呼ばれ、とても愛らしい顔をしています。

CT画像を見ると、中は小石混じりの荒い土でできており、表層は細かい粒子の粘土で仕上げられています。そして写真では判別できませんが金色の雲母のようなもの(おそらくバーミキュライト)が散りばめられています。光を受けてキラキラと輝く様子がこの土偶の魅力をさらに引き立てています。

しかしレプリカの彩色をするにあたってはこの表現が難関でした。絵の具を使ったり、金箔を貼ったり、工夫しましたが、上手くいきませんでした。考古遺物の情報伝達としてのレプリカ製作ですが、実物から感じ取れる「美」を伝えていくことも大切な役割のひとつです。

そこで、館の方にお願いして棚畑遺跡まで連れて行っていただき、そこの土を持ち帰って流水にさらしました。すると水の底にキラキラと・・・・。それをピンセットで一つ一つ拾ってレプリカに貼り付けました。根気のいる作業には慣れているとはいえ、長年レプリカを作ってきて、材料を現地調達したのはこのときだけだったと思います。

苦労しただけに愛着もあり、国宝に指定されてからもう一度レプリカを作るときは感慨深かったです。フイルムケースに入れて持っていた「棚畑の金雲母」は、そのとき再び役に立ってくれました。

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